2016年12月1日木曜日

11月のまとめ

11月の走行距離  134㌔

本妻号累計      42,413㌔
愛人一号(休眠中)累計   1,611㌔  合計 44,024㌔


例によって走っていません。 通勤で7キロ×13日で約90キロ、ほかの40キロは若干のサイクリングと実用目的です。多分これからもこんな具合が続くのではないかと思います。冬用の温かいグローブを買いました。

今回のテーマはAmerica'sCupです。これの日本語表現でよくアメリカンカップとかアメンリカンズカップとかいう人がいますが困ったものです。「アメリカのカップ」でもなければ「アメリカ人のカップ」でもありません。

1851年第1回万博がイギリスで行われた際、記念行事としてワイト島一周ヨットレースが行われその時の勝者、アメリカ合衆国から参加した「アメリカ号」がビクトリア女王から銀杯を授与され、それを争奪するヨットレースが1870年より開催されました。 それが「America'sCup Race」なのです。つまり「アメリカ号のカップ」なのです。よって正しい日本語表記はアメリカスカップまたはアメリカズカップとなります。ヨットの世界では(特に沿岸部で行われるレースのなかで)一番注目されるレースで、オリンピックなど比べものにならないくらい世界中が熱狂するものです。(日本は例外です)

それはさておき、日本の係わりから言いますと1992年から2000年までに3回日本艇が参戦していずれも予選4位ということで、厳密な意味での「アメリカズカップ」には出られませんでした。初出場の92年の時にはそれは興奮しました。多分サッカーワールドカップに日本が初参加の興奮より個人的には大きかったと言えます。おかげで下のようなシチズンのヨットタイマーまで買ってしまいました。後日、今は亡き尊敬するヨットマンで素晴らしい随筆家(「キャビン夜話」等)の田邊英蔵氏とお会いした時に、同じ時計を彼の腕に認め、嬉しさのあまり、時刻補正をして差し上げた事を懐かしく思い出します。(以上余談)




当時は日本艇のスキッパーのクリス ディクソンとかオーストラリア艇のピーター ギルモア なんていうヨット乗りは日本でも有名でした。また、キャプテンを努めた南波誠さんは後日、航海中に落水し、死亡しました。(ひょっとすると今でも公式には行方不明 )そしてこれも後日の事ですが、そのギルモア一家が日本在住中に、彼にOP(子供用の入門艇ヨット)の乗り方をコーチし、一緒にそれでお遊びレースをした事がありました。ささやかな私の自慢のひとつです。

それもさておき、結局日本が「よく健闘した」程度の成績で以後スポンサーがつかず撤退してししまい遠い世界の出来事のように時は過ぎて行きました。その間色々とゴタゴタがあり、ルール解釈の争いや変な艇での戦いがあったりして、私の知っているアメリカズカップとは違う様相のレースになってしまい、興味が薄れてきたのは事実でした。

ところが今年になってソフトバンクがスポンサーとなって日本艇が挑戦する事になったというニュースが流れました。実に18年振りの快挙です。孫さんの計算とセンスを見直しています。

その予選ラウンド(ルイヴィトンカップという)が始まり日本勢の様子も伝わってくるようになり、遂には11月に北九州でも開催されました。これも史上初の日本開催です。2日間にわたってBS放送での特番もありました。それはもう楽しみにしていました。ご覧になった方はいらっしゃいますか?

私などは何と言ってよろしいのやら……、という感想です。まずヨットの概念が覆りせられました。今回のシリーズはAC45/72という大カタマラン艇を使用しているのですが、「これがヨットか」という代物です。私などは艇体(モノハル)の上のマストにメインセール、ジブセールは1枚か、稀に2枚張り、それにスピンネーカーまたはジェネカーというのがヨットの基本概念としてあるのですが、今回の艇は艤装全体がよく理解できませんでした。そもそもメインセールではなくウィングなるものがマストについています。なんじゃこれ?でもメインシートトリマーという役割はあるようで早福(これも懐かしい名前です)が努めていました。

何よりも異様なのは水中翼を持っている事で、浮き上がり滑走するのです。それも80㌔近いスピードがでます。フォイリングと言うそうです。従来のレースと言えば風上に向かってスタートと相場が決まっていて、一斉にスターボのクローズドホールドで走り出すのですが、このレースではいきなりリーチングスタートで、走り出した途端に浮き上がり、つまり飛んで行きます。ほとんどこのスタートで決まります。




では、と言ってスタート前の駆け引きはどうかというと、(多分)操作性がそれほど良くないので大味なもので、あっ、それから以前はすべてマッチレース(1対1)だったのが今回はフリートレース(大勢で競争)で、タイミングをとるだけが腕の見せ所で戦術も何もないような気がしました。

それにコースの作られ方もチンプンカンプンで、やはり従来のような「上・サイド・下」という形のほうがおじさんには嬉しい。

ただ、ただスピード感は異次元と言ってもよい。飛びます。その時に ブーンというような音(発生源はわかりません)が聞こえるのです。これは本当に凄い。筆舌に尽くし難い。よって、この辺で止めますが、スピード競争です。もちろん従来も艇の性能は大きな要素でしたが、今回はそれが80%位あるような気がします。クルーの腕は「如何にトップスピードを維持するか」に特化しているのではないかと思われるほどです。

異形のヨットレース」というのが感想でした。要するに付いて行けませんでしたと、言う事です。

確か6艇出ており6レース観ましたがルイヴィトンカップではまたも4位というところが順当で、うまく行けば3位に食い込めるかも知れません。皆さん応援よろしくお願いたします。

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