2023年5月11日木曜日

また訃報  原 尞

昨日、毎朝恒例の血糖値検査キットの針と電極 (一日一回の使い捨て)が無くなっている事が発覚しました。別に落としたとか捨ててしまったというのではなく「まだある、まだ残っている」と思い込んでいただけの事なのですが、病院へ問い合わせたところ、明日の午前中にA2の受付に来れば出しますとの事で、早速今朝出向きました。思ったよりスムースに事は運び、支払いまで(と言っても本日は請求ゼロ円)1時間とかかりませんでした。

家に戻り改めて新聞を見ていると原尞さんの訃報が眼に飛び込んできました。


原尞という作家は私の読書歴の中ではそれ程のボリュームを占めているわけではありません。寡作で早川書房からしか著書を出さないので、それは当然なのですが、どこか引っかかる作家でした。

ハードボイルド」という分野はなぜか日本ではそれほどブームになる事はありませんでした。ハードボイルドの定番は、私立探偵、美女(薄幸・若しくは絶世の)、暴力・拳銃といったところですが、どれも日本にはなじみがありませんので、それ程の大ヒットにならないのでしょう。ハードボイルドの定義は読者の数だけあると思いますので省きます。それにしても早川からしか出さないという姿勢もハードボイルドではありませんか。

私自身、大藪春彦のバイオレンスにぶったまげた高校生時代以来、一般教養としてチャンドラー、ハメットの作品はいくつか読んだのですが、その系統に溺れる事はありませんでした。長ずるに及んで、結城昌治や生島治郎、大沢在昌など「それ系統」のものを経て原尞さんに至ったわけです。


きっかけが何だったかは全く覚えていませんが、「あっ、これ、本物のハードボイルドだ」と興奮したものです。本人がジャズピアニストだという点も納得の作風です。

もし未だお読みになっていないようでしたら、お勧めです。決してご損はさせません。

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