
もちろん、まだ真っ暗。旅館の玄関先で荷物の搭載して、数百㍍離れた埠頭に向かう。別に時間の余裕が無くて焦ったわけではないが、ここでヘルメットを積み残してしまった。徳山到着後に気付き、旅館に電話をして、横浜の自宅に送っていただく事お願いをした。殆んど被る事がなかったので実害は皆無だったが、とんだ迷惑をかけてしまった。その旨を横浜に電話すると家人が笑っていた。前回の北海道行きの時には水戸のホテルに「入れ歯」を忘れて来たが、困ったもんだ。
ここでお恥ずかしい話しをする。事前の調べでは、ここ竹田津から広島の徳山へは2時間毎に便があるはずだった。一体何を見たのだろうか? 待合室で時刻表を見ると午後は2便しかなく14:20、19:00発だ。あと4時間もある。オーバーに言えば、目の前が真っ暗になった。待合室と言っても冷房はなく、座りにくい椅子がいくつかあるだけだし、岸壁で釣りをして過ごすには暑過ぎる。別に急いでいるわけではないのだが、4時間は長すぎる。
と、その時、明日の始発が4:20というのが目に入り、同時に岸壁の入り口付近に旅館があったのを思い出した。こんな待合室で時間をつぶすより、近場の旅館でシャワーでも浴びて、寛いで、明日の始発で出発すれば、万事上手く収まるじゃないか!
早速フェリーの事務室に相談してみると、直ぐにその旅館に電話をしてくれ、「夕食は出せないけれど…」という条件で受け入れてくれる事になった。ばんざーい。我ながら頭の切り替えの速さに惚れ惚れした次第。ピンチはチャンス。
そこの女将は親切な方で、「丁度自分も食べるところだったから」と美味しいそうめんを出してくれた。もちろん美味。夕食は改めて、先ほどのフェリー乗り場の売店で弁当を買ってきて食べた。
これで第一ステ-ジが終了し、走行距離は469㌔となった。
計画より1日多くかかっているが問題は無いだろう。1日平均78㌔走っているのだから満足だ。明日からは山陽・瀬戸内海沿いを走る。
140㍍の臼津峠を登りきるとトンネルがある。その手前で、例によって一息入れていると、傍らの野菜売り場からおばあさん(と言っても70歳なのだが)が出てきて、いろいろ話しをした。不思議なもので、横浜から来たと言うと(このような立ち話をした方は10人以上になるが)殆んどの場合、自身住んだ事があるとか息子や姪が居るとかで、横浜には縁があるという話しが出てくる。そして意外と菊名とか日の出町とか馴染みの地名が出てくるのだ。皆さんよく覚えていらっしゃる。
そんなおばあさんに励まされて、1600㍍を越える側道がない恐怖のトンネルに飛び込み、抜けた時は本当に安堵の溜息がでる。そこからは下り一本で臼杵の市街地に出るのだが、そのためには本線(R217)からは一旦降りなければならないが、これが今回は予期せぬ好結果を生んだ。
臼杵の町では小一時間程観光客になった。古いこじんまりとした城下町の風情が残っている。楽器店の店頭には「海援隊」のポスターが貼ってある。「まだ九州ではいけるんだ!」 ライブではなくトーク&ライブとは正直で良い。成功をお祈りしています。
ここからは大分を目指すのだが、半島を横切る県道21号線が近道で、当初はその積りでいたのだが、町外れで通りすがった郵便配達に、念のためにR21に至る道を聞いてみると、九六位峠がきついので、半島の海岸線沿いに行った方が良いというアドバイスをもらった。地元の方のアドバイスは貴重だ。それに従った。
9:00 26.3㌔ 佐志生(さしう)着
右手に臼杵湾を見ながら漁村から漁村へという細い道を走る。これで半島を回れたら最高だと思いながら佐志生で一息。下半身だけの水遊び。上の写真が佐志生の海岸で、近くでは2箇所でご老人、主におばあちゃんがグランドゴルフの練習をやっていた。(実は私も町内代表選手だ)結構盛んなんだ。
ところがその少し先(下の写真)付近で行き止まり。土地の人に聞くと左手の斜面を登っていくと国道217号に出られるという。当然、それに従ったが、これが坂というより崖。殆んど持ち上げ運ぶように、10歩進んでは1分休みを繰り返しながら、ようやくの思いで国道に出られた。
それでも、なるべく海岸線を走ろうという執念は止まず、下へ降りる道を見つけては、しばらく行くと「行き止まり」というのを2回もやってしまった。下の写真・図は10:17頃 30㌔付近。往復で700㍍のロス。
10:52 36.5㌔ レストラン佐賀関
頃合もよく、ここで昼食。11時開店というタイミングだった。
この辺りを走る予定が全くなかったために、一帯は手持の地図からは外れ、また、事前の調べもなく、予備知識がゼロだった。ここが「関サバ・関アジ」のご当地だったんですねえ。店内をブラついていて知りました。思わぬ収穫だ。
いただいたのは「リュウキュウ丼」+クロメ汁。リュウキュウ丼はある種のズケ丼で美味。クロメはかなり珍しい海藻で珍味ということだが、味噌汁好きの私としては値段の割にはイマイチ。このブログ作製に際して改めてツーリングマップルを見ると、近くには「関の漁場」という漁協直営店や「関の亭」という地元で人気の店などもあり、今になってから、こっちの方が良かったのかなあなどとも思うのは、無いモノねだり、或いは、貧乏人根性というのだろうか。
12:00 出発
半島周回の(途中からはR197)快適なサイクリングのうちに次第に市街地に変わってきて
15:00には大分中心部を過ぎ(68㌔)
15:45 別府の町中心部よりやや東のビジネスホテルにチェックイン。さすがに日本を代表する温泉地だけあり、相当賑っている。
酷暑の1日ではあったが、色々楽しい事も多かった日だった。夜はホテルから程近い温泉施設で温泉三昧。私は別に温泉趣味とは全く縁のない者だが、やはり別府といえば温泉、十分に堪能した。マッサージ器にも座ってきた。夕食はファミレスで刺身中心の定食をいただく。
本日の走行距離 79.29㌔ 走行時間 5:22 平均時速 14.7㎞/h
あとは津久見の町に走り降りるだけで楽勝。駅前で大友宗麟像の記念写真を撮って、ホテル探し。意外と手間取る。
16:00 ホテルチェックイン。
町では一番大きなホテルに落ち着く。ツインしか空いてなく、それでも1泊4,800円。夕食はジョイフルでチキンステーキ
本日の走行距離 83.82㌔ 走行時間 6:00 平均速度 13.9㎞/h
殆んど予備知識がなく訪れたのだが、いやあ、広大なものだった。自転車で走り回るのには丁度良いが、歩いて回ったらさぞ大変だろう。上の写真は古墳群の一画を見下ろしたところ(これでは広大さも古墳も何もわからないね)、下は資料博物館。
本当に日向は「神話の国だなあ」と思う。ここも当時一大勢力のあった地方豪族の古墳群かと思うと、なんと宮内庁が所管するご陵墓が二つもある。要するに天皇家のルーツとも関係があるらしい。それだけではなく、何箇所か立ち寄った神社も、その由来を読むと、ごく普通に「神武天皇」の名前が出てくるのだ。これは絶対に、こちら関東には見られない事だ。「神武東征」を実感する。
さて、これからどうするかだが、大して疲れたわけではないが、雨模様ではあるし無理する事もないな、などと理屈をつけて本日は西都泊りにした。
15:00 64.22㌔ ホテルチェックイン
コインランドリーで洗濯。夕食は町のレストランで豪華ステーキ膳
本日の走行距離 64.22㌔ 走行時間 4:17 平均速度 15㎞/h